効率化とかスピードアップとかいったって、使える時間も限られてるし、作業速度を上げたり無駄を省くといったって限りがあります。
効率化、スピード アップと聞いて、文字通り、効率よくするために無駄を省くことを考えたり、作業速度をあげることを考えるのは、実は得策じゃないと思うんです。
そうじゃなく、必要になる前にはじめておく、という準備こそが、効率化においてもスピードアップにおいても大事だと思うんです。
もっと早く作業を完了させたい、他社より先に新しい技術を習得したい、あるいは、商品開発の速度をあげたい。そう思うなら、そこに費やす時間を短縮することを考えるのではなく、何よりスタートする時期自体を早めることが必要なんだと思います。
時間を短縮すれば、やる必要があることもやれなくなります。
商品開発に必要なユーザーの利用状況の理解やニーズの把握を十分に行わずに、定められたリリース時期に間に合わせようととりあえず仮説ベースでユーザーの ニーズを決めてとりあえず形にしてしまう。
十分な検討時間もとれずデザイン評価も行われず、お尻のきまったリリース時期に形だけを間に合わせる。
そんなやっつけ仕事でいいの?って思います。
開発期間を短縮して商品リリースを早めるんじゃなくて、ユーザー調査で利用状況やニーズの把握をする時間もあり、コンセプトの検討やデザイン評価にも時間をかけられる十分な開発期間をもちつつ、リリースを遅らせないためには、開発のスタート時期こそを早めるべきでしょう。
ようは必要になってからスタートするんじゃ遅いんです。
必要になる前からはじめていないとダメだと思います。
もっともっとスタートを早めるには、必要になってからではなく、むしろ、必要そのものを生み出すくらいじゃないといけません。
ようは後追いするのではなく、先取りする。
獲物を狩るのではなく、計画的に田畑を耕し実を育てるのです。
そのためには自分たちが何を達成しようとしているのかという明確なフィロソフィー、ヴィジョンがないとダメでしょう。
自分たちの好みや価値観、こだわりを深く知っていて、外の価値観にあわせてものづくりを行うのではなく、自分たちの価値観を広く世に分かち合うためのものづくりを行う姿勢が必要なんだと思います。
ようは自分の仕事をつくる、自分たちの仕事をつくる、ことです。
他人の仕事を自分もやってたんじゃ、そりゃ、あまり価値は認めてもらえません。
それができてないから他を追従してばかりの自転車操業になっちゃうんですよね。
しかも他を追随したり同じようなものをつくってたら価格競争で、またもや効率化してどうこうとかいう話になるばかりだし。
それじゃあ、ダメだと思うんですよね。
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